IWAKI FC 人とまちをつくるスポーツクラブ|Clips
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IWAKI FC
人とまちをつくるスポーツクラブ

IWAKI FC
人とまちをつくるスポーツクラブ

 

2024.1.19

いわきFCのミッションは、スポーツを通じて社会価値を創造すること。つまり、地域の「人づくり」「まちづくり」に貢献することです。
2016年にチームが発足して7年でJ2に昇格、2024年はJ2で2年目のシーズンを迎えます。冒頭で述べたミッションを貫き、ブレずに走り続けてきたことが、クラブの躍進につながっています。
Jリーグでの「昇格」が目的ではなく、あくまでも目的はスポーツの力で「人づくり」「まちづくり」に貢献すること。そのことが、クラブが地域に愛され、地域とともに成長している根源となっています。
<人とまちをつくるスポーツクラブ>である、株式会社いわきスポーツクラブ代表取締役の大倉智氏に想いを聞きました。

「90分間止まらない、倒れないサッカー」と地域の生き様がリンクしている

「90分間止まらない、倒れないサッカー」と

地域の生き様がリンクしている


大倉 智
1969年、川崎市出身。東京・暁星高校で全国高校選手権に出場、早稲田大で全日本大学選手権優勝。日立製作所(柏レイソル)、ジュビロ磐田、ブランメル仙台、米国ジャクソンビルでプレーし、1998年に現役引退。
引退後はスペインのヨハン・クライフ国際大学でスポーツマーケティングを学び、セレッソ大阪でチーム統括ディレクター、湘南ベルマーレで社長を務めた。
2015年12月、株式会社いわきスポーツクラブを創業、代表取締役に就任。



―クラブの発足時について教えてください。
 
もともと2012年に創設され、その頃から福島県リーグを戦っていたいわきFCですが、スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店である株式会社ドームが運営権を取得する形で、現在の体制になりました。クラブ設立の背景には東日本大震災が深く関わっています。震災から約1週間後、当時ドームの社長だった安田をはじめとする経営陣が、被災地支援のため、支援物資を積んだトラックで行けるところまで行こうと、ガソリン満タンでたどり着いた場所がいわき市の小名浜でした。そこからドームは物資での支援を続けましたが、本当の復興は物資の支援だけでは進まない。地域経済を活性化させて、持続的な<雇用>を創出することこそが本当の復興。そのような想いでドームがいわき市湯本に物流センターをつくったのがきっかけで、いわきFCが誕生しました。

―22年のJ2昇格は、J3参入から1年で成し遂げたことで驚愕でした。
これまでのあゆみを振り返っていかがでしょうか。

 
我々は、Jリーグで昇格するということを目的に置くのではなく、「スポーツを通じて社会価値を創造する」こと、つまり地域の<人づくり、まちづくり>に貢献することをミッションに掲げています。
その中でも当然、チームが勝つことで地域が一体となったり盛り上がったりしていくことは大事です。
スポーツの興行を開催する我々としては、それよりもコンテンツとしてのサッカーの中身が大事だと思っています。
いわきFCでは商品コンセプトを「魂の息吹くフットボール」と置いていて、その「90分間止まらない、倒れないサッカー」は、この地域の生き様とリンクすると思っています。
私たちの拠点「いわきFCパーク」がある場所は、いわき市の中でも「常磐地区」と呼ばれますが、ここはかつて常磐炭田といって、1870年代から1970年代にかけて首都圏に一番近い大規模炭田として栄華を極めました。しかし、昭和中期のエネルギー革命によって閉山を強いられます。一度は絶望を経験した地域ですが閉山後も本体の常磐炭礦→常磐興産は「炭鉱から観光」へと業態を変え、常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)として地域の経済に大きく寄与します。エネルギー革命という大きな時代の変化の中で、炭鉱から観光へと常磐地区の人々は逞しく、粘り強く生き残ってきた歴史を持つのです。

ただサッカーをやって「勝ちましょう」ではなく、この地域の歴史の中で、東日本大震災のことも含めて、困難があっても何度でも立ち上がるこの地域の生き様はいわきFCの「90分間止まらない、倒れないサッカー」とリンクするはず。我々のサッカーを見るお客様は、初めての観戦でもそういった部分も含めてシンパシーを感じていただける方が多いのではないでしょうか。
若い選手たちが愚直に全力で頑張る姿を見て、また来たい、次は友達と来よう、両親を連れて来よう、などと色々な輪が波紋のように広がっていくというのが、クラブの原動力になります。
創業から「スポーツを通じて社会価値を創造する」という理念をぶらさずにここまでやってきているので、お客様にもそれが浸透してきている気がします。地域に愛され応援されるからこそ、クラブも成長してきたと思います。
発足間もない頃は今の状況を想像していませんでしたし、私自身も、スポーツの力をまざまざと見せつけられています。
また、いわきFCのサポーターは、「感謝の気持ち」を口にします。東日本大震災を経験し、人間関係の難しさを痛感されたからなのか、相手チームに過激な言動を飛ばすサポーターがいたとしても、荒れることなく中和されるんですよね。
外から来てくれる相手チームサポーターがいわきに来てくれたことへの「感謝の気持ち」がそういう状況をつくりだしていて、いわきFCのサポーターだからこその、“新しい価値観”だと感じています。


みんなが集える場所 地域課題の解決策が詰まっているシンボリックな新スタジアムを構想

みんなが集える場所 地域課題の解決策が詰まっている

シンボリックな新スタジアムを構想

―今回、イオンモールいわき小名浜にて発行する媒体Clipsなので、お聞きしたいのですが、いわきFCとイオンモールいわき小名浜は2022年にビジネスパートナー契約をしております。様々なお取り組みがありますが、このビジネスパートナーについての想いを聞かせていただけますでしょうか。
 
イオンモールを歩いているとサポーターの方にお声をかけていただくこともありますよ。ビジネスパートナーについてですが、もともと震災復興や支援のためにできたイオンモールいわき小名浜は、弊社(株式会社いわきスポーツクラブ)ができた経緯と想いが全く同じなので、一緒になって取り組めることが多いと感じています。
イオンモールいわき小名浜は、週末になると駐車場に入れないくらい人が入っていますよね、いわきにとっての集客装置なのです。ある意味で、いわきFCのライバルだとも思っています。(笑) サッカーやお買い物を起点に訪れたお客様の相互送客を様々な取り組みを通じて行うことで、いわきが元気になれば嬉しいですし、そのために一緒になって、〈まち〉の発展に向けて連携しています。過去には新体制発表会もこのイオンモール内で行いましたし、この1年も冠マッチを開催いただくなどたくさんの取り組みをしました。今後も一緒に地域を盛り上げたいと思っています。


―新スタジアム開発についての構想をお聞かせいただけますでしょうか。
 
今の〈ハワイアンズスタジアムいわき〉がJリーグのルール上、いずれ使用ができなくなります。(注:Jリーグスタジアム基準で、J1・J2クラブライセンス交付規則に則ったスタジアムが必要であり、収容人数など現在のハワイアンズスタジアムいわきでは条件が満たないところがあるため)スポーツ庁から「スタジアム・アリーナ改革推進事業」の採択を受けて、新たなスタジアムの整備計画作成に向けた調査やコンセプトづくりのための検討を私たちが主体でやっていて、地域の多種多様なメンバーを集めた分科会や子どもたちを集めたユースフォーラムなどの活動をしています。
 
新スタジアムを構想するにあたって重要なのは、主語がいわきFCではなく、地域であるということです。つまり、この箱(新スタジアム)が、サッカーのためだけにあってはいけないと考えています。この地域のために、未来のある子どもたちのために何ができるのか、何が生まれるのか、というのを皆で意見を出し合いましょうということをやっています。今、新スタジアムについてはコンセプトづくりの段階ですが、我々は〈人づくり、まちづくり〉というミッションがあり、それを新スタジアム構想にも最重要視しないといけません。J1を目指し、J2に留まるためだけにつくるのではないのです。
 
いわきの人々が集える場所であり、ここに行くと「何か成長する」や、様々な地域課題の解決策がここに詰まっていて、サッカーの試合の日が非日常だとすれば、試合のないそれ以外の日を日常と捉えて、スタジアムの活用を考えていくことが大事です。

人ではなくチームビルディングで勝利を目指しチームビルディングの中で人を育てる

人ではなくチームビルディングで勝利を目指し

チームビルディングの中で人を育てる

―最後に、今季を振り返って思うことと、いわきFCの今後についてお聞かせください。
 
我々は、〈人ではなくチームビルディングで勝利を目指し、チームビルディングの中で人を育てる。〉ことをチームビルディングにおけるフィロソフィーとしています。つまり、選手の成長曲線と勝利が相関するという考え方です。これまでの経験から選手が躍動して、成長しない限り勝ち点は取れないと思っています。そのために、クラブとして選手にトレーニング・食事・ケア・睡眠の四つのサイクル構築をサポートしていますが、最終的には選手自身がプロとして、自分のサッカー人生を豊かにするために、自分でそれらを理解するようになると、どこに行っても通用するようになります。今年はJ1からのオファーがある選手も複数人いることを考えると、いわきFC育ちで巣立っていく選手も出てきますし、一方でJ1から若手を預かってほしいというニーズも高まっています。「いわきFCに預けた選手は育つ」というブランディングは少しずつできはじめています。来シーズンは、J2で2年目になりますが、自分たちの立ち位置を理解した上で、大事な理念である「スポーツで社会価値を創造する」「人づくりまちづくり」があって、我々がサッカーをする理由ということに重きを置き、地域とともにクラブもまた成長していきたいと思います。そして、勝利を目指していきます。

イオンモールいわき小名浜は
いわきFCのビジネスパートナー

イオンモールいわき小名浜は、いわきFCの理念に賛同し、地域の活性化を目指して2022年にビジネスパートナー契約締結しました。
いわきFCもしくはビジターチームなどサッカーを起点にいわきを訪れた方と、
日々のお買い物でイオンモールを訪れて、いわきFCに興味を持った方の相互送客関係を築いています。

「スポーツを通じていわき市が更に元気になること」をテーマに、
いわきFCとイオンモールいわき小名浜はいわきの発展に向けて連携しています。

イオンモールいわき小名浜にて、 いわきFCのホームゲーム観戦チ ケットの取り扱いを2023年6月28日より開始しました。チケットをご購入いただいたお客様は、イオンモールいわき小名浜オリジナル封筒で受け取ることができます。

【いわきFC×イオンモールいわき小名 浜 】折りたたみバスケットを、2023年7月5日の栃木戦の試合会場にてご購入いただいたお客様と、同年7月30日のイオンモールいわき小名浜「いわきFCスペシャルイベント」にてご購入いただいたお客様に、オリジナルステッカーがプレゼントされました。

2023年をPREVIEW!

7月5日のJ2リーグ第24節 栃木SC戦は、「イオンモールいわき小名浜presentsゼロカーボンアクションマッチ」として開催。
いわきFCは1-0で快勝しました。平日で雨のなか、チームにとっても中2日の試合でしたが、雨天のなか駆け付けた約2,800人のサポーターの声が後押しとなりました。
また、グッズブースにて初のコラボグッズ【いわきFC×イオンモールいわき小名浜】折りたたみバスケットの販売も行いました。


7月30日にはイオンモールいわき小名浜主催の「いわきFCスペシャルイベント」としてハーマー&ドリーの写真撮影会を実施しました。
バルーンアートのショーや撮影会、後半はハーマー&ドーリーが同日に開催していた海遊祭の会場まで繰り出しました。
撮影会では多くのサポーターの方が並び大盛況。会場は笑顔が溢れていました。
さまざまな楽しいイベントを今後も開催予定です。

VISITED PLACES

IWAKI FC PARK


福島県いわき市常磐上湯長谷町釜ノ前1-1いわきFCパーク
Tel.0246-43-2677
オフィシャルサイト

イオンモールいわき小名浜


福島県いわき市小名浜辰巳町79番地
Tel(専門店街).0246-54-4000
Tel(総合スーパー).0246-73-7210
オフィシャルサイト

撮影:小堀 裕介 / テキスト:恩田 将成

 

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