Good Local Shops
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2023.09.15
「いわきと創作麺らぁ麺 やま鳶」は、曲山さんご夫婦が地元・いわき市への愛を持って営むラーメン店。
いわきの食材を使ったこだわりの1杯で、地域貢献と地元のPRにも力を注いでいます。
お店と一緒に
観光地・小名浜を盛り上げたい
いわき市出身のご夫婦で切り盛りするラーメン店「いわきと創作麺らぁ麺 やま鳶」。大学進学のために上京し建築関係の仕事に就いた店主の曲山修太さんが、思い立って飲食業界へ転身したところから歴史は始まりました。首都圏で修業を積む中、東日本大震災を機に地元へ戻り、2017年にはいわき市小島町で開業。いわきのためになるお店作りと、完全無添加で食材本来の味を活かしたラーメンの提供にこだわってきました。
当初は現在の看板メニュー「らぁ麺」と「担担麺」の2つからスタート。いわき市平作町への移転も経ながら、納得のいくメニュー作りに奔走してきました。2021年にはいわき市小名浜へ移転。「いわきコンセプトストア」の機能を併せ持つ店舗として再スタートを切り、地域ぐるみで連携しながらさまざまな活動を行っています。 ラーメンのスープには「常磐もの」と呼ばれる福島県沖の親潮と黒潮のぶつかる海域で獲れる魚や、地元のブランド米、さらには全国で獲れるにもかかわらず捨てられてきたという魚「金頭(カナガシラ)」を使用しているそう。地産地消にこだわりメニュー作りをしてきたことがわかります。
女将の曲山真美さん。メディアやSNSなど発信活動も担う。
「スープは鶏をベースに、常磐ものの煮干しを自分たちで作って入れるようにしています。金頭の使用は、もし一般化できれば全国にいいニュースとしてお届けできると思い、先駆けて挑戦してみました。最近はIwaki Laikiといういわき産コシヒカリにも挑戦していて、お米が溶けるまで8時間ほど火入れをし、スープに甘みを出すようにしています」
茹でたての麺の熱々の湯気が食欲をそそる。
6周年記念企画「やま鳶店内に応援灯を1年間飾ろう」地元企業から常連客までさまざま。既に40個が飾られている。
素材にこだわる地元の味に
常連客が足繁く通う
いわき市の農林水産部の方と、地元の方へのアンケートをもとに作った
「いわきサンシャインラーメン」など、ご当地メニューが常連客にも愛されています。
地産地消を掲げるMENU
890円(税込)
創業当初から変わらず1番人気の看板メニュー! 丁寧に抽出した鶏の旨味に、浜風香るアクセント 「常磐もの」の煮干しや魚介を入れ、さらにいわき産コシヒカリ「イワキライキ」を出汁に、まろやかな舌触りの重層的な旨味を創り上げています。
900円(税込)
出汁を味わう担担麺として女性人気No.1。 辛みをほぼ使用せず作った自家製ラー油が美味しさを引出しています。 肉味噌に麺を絡めて食べてもよし!途中で「シビレ油」を味変に投入すれば更に美味しさがアップします。色々な味を楽しめる1杯です。
980円(税込)
いわきのご当地ラーメンとしても有名。 いわき沖でとれたいわき市水産ブランド「常磐もの」の金頭(カナガシラ)という鮮魚をふんだんに使用した出汁と湯本温泉の源泉を練りこんだ温泉麺が美味しさの秘密!味のベースは色のついていない透明な醤油味となっています。
1,080円(税込)
全粒粉が練り込まれている麺は風味がよくツルツルとした食感です。和風出汁に浸かっている麺はそのまま食べても、つけダレにつけて食べても美味しくのどごしが最高です!上級者な食べ方は藻塩を麺につけて小麦の甘味を引き出しながら楽しむ食べ方が人気です。
レンゲの祠から
地域の子どもたちへ温かい食事を
店舗の敷地内にあるレンゲの祠
やま鳶の地域貢献は、地産地消のメニューに留まりません。ラーメンを食べに来たお客さまがまず目にするのは、敷地内にある「レンゲの祠」。創業当時から陶器の蓮華を使用しており、割れてしまうことも多かったことから建てることにしたのだと女将の真美さんは語ります。
「ラーメンの一番おいしいスープを掬い上げることと、供養していただくことで皆さまの幸せもすくい上げるという意味を掛け合わせて祠を建てました。いただいたお賽銭はすべて子ども食堂の運営資金にしています」
やま鳶では、貧困世帯や台風などの災害、コロナウイルスなどで難しい環境にいる地元の子どもたちへ温かい食事を提供する「子ども食堂」にも取り組んでいます。店舗の向かい側にあるいわき市小名浜地区保健福祉センターとも連携を取りながら、各家庭の事情をヒアリングしているそう。
やま鳶の店舗に限らず、イベントとして場所を借りて食事を提供することもあり、形に捕らわれずそのときのニーズに合わせて対応していると続けます。「保護者の方との電話で事情や経済状況をお聞きし、食事の提供や皆さまから集めたフードバンクの食材をお届けするなど対応させていただいています」
また、コロナ禍に開発したテイクアウトメニューも、難しい調理はまだできない子どもがいる共働き家庭などの助けになるのではないでしょうか。「伸びにくいような麺の配合をしたり、テイクアウト専用のラーメン専用容器を使ってスープができるだけ冷めないようお届けしたりしています」
いわきのおいしさを
詰め込んだ1杯を全国へ
学生たちとの協力も積極的に行ってきたおふたり。キャリア教育の一環として、地元の中学生や高校生と一緒に、地元をアピールするための地産地消商品を作ったことも。そのほかにも、東京・銀座のアンテナショップ「日本橋ふくしま館 MIDETTE」への出店も定期的にしており、活動の幅を広げています。
「たまたま通りがかったサラリーマンの方やいわきに興味がある人などに地元の良さを知ってもらえるので、この活動はずっと続けていきたいと思っています」
シンプルなように見えて、さまざまな食材が入っているのがラーメンの特徴。だからこそ、いわきの魅力を発信していくために最適なメニューなのかもしれません。
「醤油にしても、トッピング1つ1つにしても、地元の生産者さんが1から思いを込めて作り上げているものです。せっかくだったら、その食材を1杯にまとめて、いわき産フルコースをお届けできる形にできたらいいなという思いでラーメンを作っています」
夏の一大イベント「いわきおどり小名浜大会」(2023)に参加。
観光客も増加し、イベントの開催も増えてきている今、地域のイベントにもどんどん参加していきたいと話す真美さん。いわきの観光大使を務めていたときには「いわきおどり」に参加していたそう。
「今年はやま鳶として参加できるのも楽しみです。東北6県のラーメン屋が出店するフェス『LIVE AZUMA 2023』への参加も決まっているので、この機会にどんどんお店を知ってもらえたらいいなと思っています」
物販コーナーにはクッキーやパンなどのメニューも。
地域密着型のお店として、フラシティのロゴを配したお土産麺「いわきサンシャインラーメン箱」。
Tel.050-8883-6663
営業時間:10時~20時/定休日:火曜